士林官邸の正面入り口を入ってから150mぐらい進むと、長く狭く急な階段が左手に見えます。この先に慈雲亭があります。階段が長すぎるのでこれまで無視していましたが、今回は上がってみることにしました。
7階分の高さにある慈雲亭を目指し、黙々と登っていきます。慈雲亭が見えるところまで来ると、手前にお墓があったのでギョッとしました。こちらは一般の方のお墓で、移遷させるのは忍びないと蒋介石がそのまま残すことを許可したそうです。お墓の承継一族は、清明節のお墓参りのため官邸へ入ることができた唯一の一般市民だったとか。
1963年、敷地内の福山に建てられた慈雲亭はシンプルな造り。背後に高山、左に劍潭山、右に福山と三方を山に囲まれた官邸は風水では理想的な地形ですが、福山が低すぎるので、バランスを取るため二階建てにされたと言われています。
慈雲亭への道は3本あり、蒋介石は正館に近い坂が最もなだらかな道をいつも歩いていたそうです。
上階では士林エリアの風景が一望できるかと思っていましたが、木が茂っていて隙間から見える程度でした。
北側には陽明山や大屯山が。淡水河や観音山も見えると聞いたのですがどれかわかりませんでした。
この日は休日で、たくさんの訪問者で賑わっていましたが、慈雲亭では上がってから降りるまで誰ともすれ違いませんでした。次は蒋介石がよく歩いていたという緩い坂道から上がってみようと思います。
士林官邸公園
- 住所
- 台北市士林區福林路60號
- 開放時間
- 8:00-18:00(6~8月と休日は19:00まで)
- 休園日
- なし
- アクセス
- MRT士林駅文林路出口から徒歩約10分
- Web
- https://www.culture.gov.taipei/frontsite/shilin/